運転免許は自立と社会参加の大きな力
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障がい者が自立生活を営むため、第一に必要なのは移動手段の確保です。これまで は、一定の身体的障がいを持つ人は運転免許試験を受けることもできませんでした。しかし、道路交通法改正で、安全な運転が可能な人には受験資格が認められることになりました。
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免許が取得できる範囲が拡大
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これまでの道路交通法では、精神病者・知的障がい者・てんかん病者・視聴覚障がい 者および一定の身体の障がいがある人などについては免許を与えないこととされ、免許取得後に該当したときは取り消されていました。 道路交通法改正で口がきけない人の免許取得が可能となりました。知的障がい者または身体的な障がいがある人でも、免許試験に合格すれば運転できるようになりました。 ただし、幻覚の症状を伴う精神病にかかっている人や、発作により意識障害・運動障害を引き起こす病気にかかっている人などは、試験に合格しても免許を与えられないケースがあるほか、免許取得後に該当した場合は免許を取り消されることがあります。取り消す場合には聴聞を行うなど、手続き的な保障がされていま す。
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乙武さんも免許取得
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「五体不満足」の著書で知られる乙武洋匡さんが、道路交通法の改正によって自動車免許を取得しました。 乙武さんの車は運転席にハンドル、アクセル、ブレーキなどに当たるレバーがあり、その操作で運転できるジョイスティック車です。 車の改造は、個々の障がいの状態に応じて行われます。特殊装置を使って両手だけの運転を可能にしたり、リフトやスロープを使って、電動車いすのまま運転席に乗車できるタイプなど、さまざまです。
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代表的な手動運転補助装置の例 |
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まずは相談からスタート
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身体障がい者が運転免許証を取得するためには、基本的には健常者と違いはありませんが、身体障がい者の方は教習所に入所する前に、各部道府県警察の運転免許試験場や運転免許センター等にある運転適性検査室(適性相談室窓口)の身体障がい者 関する相談、審査業務を行っている係で、事前にご相談していただくことになります。 ※道路交通法第88条に規定する欠格事項に該当するが否かの適性検査を行います。 ※適格の場合でも身体障がい者は安全な車両運行が行える範囲の免許種別、車両、補装具の仕様など、条件が付されることが多い。 ここで職員からアドバイスを受け、改造車を持ち込んで練習し、試験を受けることもできます。 これまで運転免許取得を諦めていた方も受験できる可能性がありますので、まずお近くの運転免許センターにご相談ください。 全国の運転免許センター一覧はこちらからどうぞ
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教 習 場
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通常、自動車運転免許の取得には教習場に通いますが、最近は多くの教習場が教室の バリアフリー化や手話のできる職員を配置したりと障がい者に積極的に対応してくれています。 車も代表的な運転補助装置を装備している教習車を配置している教習場も沢山あります。 運転適性検査室(適性相談室窓口)で教習場についてご相談されるか、お近くの教習場にお問い合わせください。
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身体障がい者マーク
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「身体障がい者マーク」が登場しました。手足など肢体が不自由であることを理由 に、条件付きで運転免許を認められた人が、運転中の安全を確保するために表示するマークです。周囲の運転者は「幅寄せ」「割り込み」をすることが原則禁止されています。
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