日本最後の清流といわれる四万十川は、高知県と愛媛県の県境近くの津野町(旧東津 野村)北西部の不入山(いらずやま)の東斜面の標高1,200m付近を源流点とし、蛇行を繰り返しながら、多くの支流を集めて水量を増しながら大河とな り、ゆるやかに南下を続けます。
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源 流点 |
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四 国カルスト台地 |
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四万十川はその源流域から河口に至る間に、非常にバリエーションに豊んだ自然の姿を見せています。
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上流域は、津野町の南部、梼原町、大正町、十和村、窪川町の北部などが含まれ、大小の渓谷や風景林、瀑布など、変化にとんだ自然と景勝にめぐまれていま す。 中流域には、窪川町の南部、大正町、十和村などの広範な一帯が含まれ、ここでは、さらに幾筋もの支流を集めた四万十川が、大きく蛇行をくりかえしながら、 窪川町で台地に南下をはばまれて西へ向かい、やがて大正町で最大の支流である梼原川と合流。さらに旧西土佐村(現四万十市)で第2の支流である広見川と合流し、再び南下を始めます。
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下流域では、川は市街地をゆったりと南下して、はるばると太平洋(土佐湾)へと注 ぎ込ぎます。終着点で黒潮の影響を受けた太平洋の海水と出会い、海でもなく川でもない神秘の世界、汽水域が生み出されます。 カルスト台地から河口堆積層に至る地質、ブナ-ササの冷温帯林からヤナギ林までの植生、100種を越える魚種や豊富な鳥獣類・昆虫類などの生物相と、自然環境の多様さ豊富さは全国でも類を見ないものです。
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四万十川の魅力といえば、川本来の原風景が保たれ、流域の豊かな自然とそこに住む人々との係わりの姿ではないでしょうか。 四万十川の沈下橋は、増水時に川に沈んでしまうように設計された欄干のない橋のことです。緑の山々に青い四万十、そして沈下橋という風景は、もっとも四万十川らしい風景でしょう。まさに日本の原風景といっても過言ではないでしょう。
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四万十川を守ろう
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日本の多くの河川が直線的な急流であるのに対して、四万十川では上流の一部を除い て、蛇行を繰り返しながら非常にゆったりとした流れが続いていることが特徴です。 この緩やかな流れが、生活排水やにごりなどの汚濁に対して大変弱い体質となっています。 高知県では四万十川の自然を、県民・国民共有の財産として、後世に引き継いでいくために、基本的なルールとして平成13年3月に「四万十川条例」を定め官民あげて取り組んでいます。
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「森」・「川」・「海」は独立した存在ではなく、それぞれが密接な関係を持っています。豊かな「森」が「川」を育て、豊かな川が「海」を育てるのです。つまり四万十川を守ることとは、豊かな海を育み、流域の森を守るという ことなのです。
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四万十川から世界へ
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地球温暖化の主な原因の二酸化炭素は、植物が半分・海が半分吸収しています。森林 伐採、海洋汚染は、この自然の浄化作用を著しく減少させ、結果的に二酸化炭素の濃度が高くなることになります。二酸化炭素を出さないことも大切ですが、自然の浄化能力を保つことも大切です。 身近な自然を守ること・四万十川を守ることは世界の環境を守ることに繋がるのです。
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